ブラジルの名ピアニスト、ギオマール・ノヴァエスがオットー・クレンペラー(1885 - 1973)と51年に入れたショパンの協奏曲ヘ短調。このdiscは偉大な指揮者と女流ピアニストの掛け合いもさることながら、この時代のウィーンのオケのサウンドを堪能できるところも魅力のひとつ。オーケストラはウィーン交響楽団でモノラル録音。オケは細かい作り込みが徹底していて密度も濃い。退廃的な雰囲気を引きずったような仄暗いサウンド。ピアノは重々しいオケのまわりを蝶のように舞う。軽やかだが薄くはなくダイナミクスの幅も広い。要所要所でテンポを落としてオケとの足並みを揃えるあたりに余裕を感じさせる。ラルゲット、レチタティーヴォの後のひと工夫も効果的。フィナーレは微妙にオケとのバランスが崩れるところもあるが最後は女王らしく貫禄のフィニッシュ。
レコード藝術の昭和29年4月号の座談会でショパンの協奏曲の名盤について、ヘ短調についてはロン盤とコルトー盤とこのノヴァエス盤の3人の名前が上がっていた。
【輸入盤CD】URANIA SP 4204


